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プログラム/チケット情報

公演バナー

プログラム

  • [ 第1部 ]
    ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13
    ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.108
    初見視奏曲
    コンクール用小品
    幻想曲 Op. 79
    ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op. 120
  • [ 第2部 ]
    ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op. 15
    蝶々 Op. 77
    エレジー Op. 24
    シシリエンヌ Op. 78
    ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 Op. 45
  • [ 第3部 ]
    チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 Op. 109
    チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op. 117
    子守歌 Op. 16
    ロマンス 変ロ長調 Op. 28
    アンダンテ 変ロ長調 Op. 75
    弦楽四重奏曲 ホ短調 Op. 121
  • [ 第4部 ]
    ピアノ五重奏曲第1番 ニ短調 Op. 89
    ロマンス イ長調 Op. 69
    セレナード Op. 98
    夢のあとに Op. 7-1
    ピアノ五重奏曲第2番 ハ短調 Op. 115

チケット

  • ジャパン・アーツぴあオンラインチケット:

    2025年9月6日(土)10:00~

  • 一般発売:

    2025年9月13日(土)10:00~

公演紹介

空前絶後。フォーレの室内楽をぜんぶ聴く、海辺の日曜日 フォーレの室内楽曲? それがマラソンコンサートを組むほどある??
 はっきり言おう。フォーレといって「レクイエム」しか知らないのでは、あまりに惜しい。それは交響曲抜きのベートーヴェン、オペラ抜きのヴェルディ、ピアノ曲抜きのラフマニノフに等しい。そう、室内楽こそ、フォーレの真価が最大限に発揮されたジャンルなのだ。そして室内楽の側からは、こんなお墨付きがあろう。フォーレがいなかったら私たちの歴史はどんなに淋しいものになっていただろうか、と。
 だから、国際音楽祭NIPPONの室内楽マラソンが、ブラームス(2022年)、シューマン(2024年)に次いで今回フォーレを選んだのは、じつに自然、いや、ほとんど必然と言ってよい。
 その音楽は、愁いを含んでいながら、軽やかである。口ごもっているようで、歌っている。ロマン派の最果てのようで、いにしえの教会風でもある。そして、いつもほんのりと薫っている。同じフランス産でも、これほどかぐわしい音楽はほかにない。
 フォーレが遺したその全22曲を、ベテラン奏者と今を時めく若手のスターたちが4部にわたってもれなく聴かせてくれるのである。イム・ユンチャンの師ソン・ミンスや、北村朋幹など、前回までにいなかった逸材も加わる。各部はおおむね、同一編成の作品を中心に組まれているが、若書きの伸びやかなヴァイオリン・ソナタ第1番と枯淡の境地たるピアノ三重奏が並んでいたり、エッジのきいたチェロ・ソナタと粋な小品「子守歌」が並んでいたりと、変化に富んで魅力的だ。そして、最高傑作との呼び声も高い晩年のピアノ五重奏曲第2番が一日を締めくくる。そこに芸術監督の諏訪内晶子が加わるというから、これは掉尾を飾る素晴らしい贈りものとなろう。
 こんな機会は、まさに空前絶後。フォーレをその初期から晩期まで、陽光の横浜港が夜にひたされるまで、じっくりと聴き進める。2026年3月1日(日)は、ぜひ、横浜みなとみらい大ホールへ。

舩木篤也(音楽評論)

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